前回、情報をいくら集めても無駄という話をしたんだけども。
情報をいくら積み上げても、そこにストーリーがなければ、単なる情報なんだよね。
では必要なストーリーとは何かといえば、ビジネスにおける最上位のストーリーは利益を上げること。
開発部門や営業・マーケティング部門であれば、売上額で評価できるから、わかりやすいけど、それ以外の間接部門は売上がない。
だから、単なるコストカットを考えるか、とりあえずDX(らしきもの)のような目新しいキーワードに飛びついて、利益に関係のないプロジェクトを始めてしまう。
なぜ、こうなってしまうかというと、視座が低く、本質を理解していないから。
視座と本質の関係とは?
本質とは、視座が低い状態で目の前の情報を集めても見えてこないんだ。
もし、見えてくるのであれば、日本企業の生産性は向上して、給料も海外のようにあがっているはず。
なぜ、昔は日本企業が絶好調だったかといえば、昔の人は頭がよく、現代人はバカという単純な話ではないのでね。
高度成長期は社会環境とビジネス環境がたまたまマッチしていたから、成長できただけ。
逆をいえば、本質を考えなくても、気合と根性「だけ」で、成長できたわけなんだ。
究極を言えば、気合と根性も不要だったかも。
ビックウェーブに乗っていることが8割で、残り2割が気合と根性くらいが本質じゃないかな。
でも、上司の武勇伝では、気合と根性が8割くらいで語られる。
大体の上司の武勇伝を聞いてもつまらないし、聞いても意味がない理由は今と昔は違うから。
ロジック・数字に裏打ちされたストーリー、武勇伝であれば聞く価値はある、参考になるかもしれない。
でも、たまたまラッキーだったのに、「俺の若いころは」と個人の武勇伝を聞かされてもなんの役にも立たない。
インフルエンサーが語る成功物語も同じで、あの表面的な成功物語を聞いても役にたたないんだよね。
彼らと同じことをやって再現できるならみんなインフルエンサーになってるから。
では何が役に立つかというと本質を理解すること。
本質を仮定して、その仮定があっているか、まちがっているかを理解する目的で日々の枝葉の情報を分析すること。
間違っていてもいいんだ。
逆にいきなり正解をあてられるとは思わない方がいいね。
視座を上げるためには?
ビジネスの本質も仮説と検証でしかない。
そして、ビジネスは人間関係で成り立つ以上、人間関係の本質を理解することが大事だね。
このような高抽象度の視点、高い視座で俯瞰することが本質を理解することにつながるよ。
目の前の課題を解決するためには一段上の視点から見る必要がある。
2次元の問題は3次元から見れば容易に解決できるように。
目の前の課題<会社の課題<人間の課題のように視座を上げていけば、覚える問題パターンも少なくていいし。
でも、いきなり新人が企業戦略やそもそも人間とは?を考え始めてもゴールが遠すぎて挫折するかもね。
現実的に何を考えればよいかというと、1個上である、上司の視点を考えるということ。
上司は何を考えているのか。
上司が考えている課題のうち、どれをサポートすれば一番自分のパフォーマンスが発揮できるのか。
これが、本質を理解するスキルを高める方法であり、その第一歩だよ。
常に、1つ(できれば2つ)上のレベルのポジションの視点を考え続ける。
今、1年目であれば数年後にマネージャーになると思うけど、マネージャーになったら、2つ上の社長が考えていることを
考える。
そして社長であれば、全世界のことを考える。
日本企業が成長できないのは、社長が全世界のこと=高抽象度を考えていないから。
何も考えないならゼロでまだよくて、余計な事=自分や部下の個人的な仕事=低抽象度の事を考えてマイナスとなったりね。
視座を上げられない上司はNG
マイクロマネジメントをしてしまうのは視座が低いから。視点が担当者のままだってこと。
本来、高抽象なモノを理解する、視座を引き上げるために、日々の実践が必要なわけなんだけど、それをやらずに居心地のいい下向きの口出しばかりする。
上司を選ぶ基準も「視座が高いか?」がカギになるよ。
上司の高抽象を追い求める姿勢を学ぶ。
これが本来上司に学ぶべきもの。
上司が本質を追い求めていないから、部下も本質がわからないケースが多いんじゃないかな。
例:SNS炎上の本質とは?
例えば、SNSといえば炎上だけど、この炎上の本質を説明できるかな?
人間は上方比較を痛み、下方比較を快楽と感じるんだ。
下方比較というのは要はマウントのことで、人間は叩かれない、嫌われない範囲でマウントをうまく取り合っている。
で、特に何も取り柄がない人は下方比較=マウントできないから、痛みから逃げるためには、自分より下の人を作るしかない。
仕事の取り柄などの比較では下の人を作れないから、善か悪かという100%個人の主観を使ってマウントを取るんだ。
善悪は誰でも簡単に使える基準なので、とりあえず、自分の中でコレが悪い!と思われる人をたたけば、マウントできる。
つまり、正義警察を行えば、痛みからは逃げられるわけで、これがSNS炎上の本質なんだ。
つまり、仕事の取り柄=人の役に立つことで、生・快楽を感じるのではなく、悪を作り出すことで善を感じて生を感じる。
ロシアとウクライナなどの国の問題を善悪で語ることも同じ。
だから、善と悪の文脈がでてきたら、何も考えていないんだなと思うくらいでちょうどいい。
そもそも、善悪でたたいたところで、社会全体からみたらプラスにはならないからね。
無人島で仙人のような生活をしているのでないかぎり、自分も社会の一員。
社会がプラスにならないと、自分も恩恵を受けれない。
だから、本質、つまり視座が高い人は、人の役に立つ、プラスのことに集中する。
他人をたたいている暇なんてないんだよね。
部下の指導も抽象度を上げれば同じ事。
本来、上司が部下の10倍、結果を出す方法を考えて、実践すればいいだけなんでね。
その「背中を見せる」「手本を見せる」のが上司の本質であって、口だけ出す上司ばかりだと、生産性があがらないんだね。
まとめ
というわけで、本質を考えることが重要な事、本質を考えるとは自分の思考抽象度をあげる事。
他人に気を散らさずに、自分の思考抽象度を高めるべく、1つ2つ上の視点を取り入れつつ、目の前の仕事への集中力を高めていこう。
では、今日はここまで。
お疲れ様でした。