IT業界の仕事の種類の1つがコンサルタントなんだよね。
なので、IT業界の仕事の中身を知らないとコンサルタントが何かもわからないわけ。
だから、IT業界と仕事の内容をザックリ見ていこう。
ITってなに?
ITコンサルタントを知るためには、一番ハイレベルな概念は「IT」が何か知る必要があるね。
ITを一言でいうと、情報をやり取り(交換)する仕組みのこと。
ビジネスはもちろん、日常会話でも人間は様々な情報を交換しているね。
ビジネス上でいえば、昔は手紙やFAXを使い、主に紙(有形物)で情報交換をしていたけども、今は電子媒体(無形物)で情報交換されている。
身近な日常でいえば、日常会話をチャットでやり取りできる仕組み=例えばLINEアプリ=情報交換の仕組み=ITと言える。
ビジネスの場合は、会話の内容が見積書、契約書、注文書、納品書、請求書となり、これらをやり取りするアプリ=ITということだね。
ITの仕事ってなに?
ITがわかったところで、ITの仕事が何か?という話をしよう。
情報交換の仕組み=アプリ作成に関わる仕事がITの仕事ということだね。
ITの仕事は細分化されており、様々な種類があるんだけど、それを知るためには、アプリの作成行程を理解する必要があるよ。
ビジネスでは、アプリということもあるけど、昔から「システム」という呼び方がされているので、(IT)システムという言い方にするね。
システムの作成工程とは?
システムの作成工程は大まかに、企画、要件定義、設計、開発、テスト、運用の5つの段階=フェーズがある。
企画
会社には様々が部署があって、交換する情報も部署によって違うんだよね。
例えば、営業部門だったら販売に関する情報を交換する、購買部門だったら、材料を買う(仕入)に関する情報を交換する。
営業部門の中でも、見積の情報と受注の情報は違ってくる。
このように様々な情報のうち、
1.どの情報の交換(What)をシステムにするか?
2.そして対象の情報をどのような流れで交換するか?(How)
を決めるのが企画段階の仕事になるんだ。
もちろん、なぜシステムにする必要があるのか?(Why)も決めていくよ。
ちなみに、これらの企画の仕事をどう進めるか?を考える、企画準備フェーズもあったりするけど、お客さん側でやることが多いので、IT業界の外になるから一旦忘れておこう。
要件定義
次は要件定義フェーズだけど、企画フェーズでザックリ決めた「どのような流れで交換するか?」を細かく言語化していく作業だ。
一言でいうと、「何をしたいか/何ができる必要があるか」を決めていく。
例えば、楽天で何かを買う時にお金を支払うと思うんだけど、「お金を支払えること」や「クレカ、銀行振込、Rpayで支払えること」といったシステムで何ができるか、何をやるべきことを言語化していくよ。
この作業をゼロベースで行うこともあるし、既製品のシステムでできることを基準に行うこともある。
ビジネススーツを作る作業に例えると、前者がフルオーダーのスーツ。後者がパターンオーダーのスーツになるね。
ちなみに、スーツだったら既製品をそのまま使うというもう1つの選択枝もあるけど、ビジネスではそのまま使うことはまずないよ。
また、この要件定義フェーズまでを企画フェーズと呼ぶこともなくはないので、覚えておいて。
設計
要件定義でやりたいこと=何が決まったら、次、どうやるかを決めるのが設計フェーズだ。
おもに、システムのユーザに見えない「どうやるか?」を決めていく仕事になるよ。
例えば「クレジットカードで支払う」について。
利用者はクレジットカードの番号等を入力して、決済ボタンを押せば終わりだね。
でも、その裏で入力した情報をクレジットカード会社へ転送したり、決済が成功したら商品出荷の処理をスタートさせたり等の、利用者には見えないけど、裏で情報を処理する仕組みが必要になるんだよね。
このような「裏」の仕組みを考える、定義するのが設計フェーズだよ。
開発
設計で仕組みの設計図ができたので、次は実際に作っていく作業が「開発」フェーズだ。
人間の言葉で記述してきたこれまでの定義を、プログラミング言語に変換する仕事ともいえるね。
既製のシステムであれば、パラメタの設定変更で必要な動作をさせるように設定を入力する仕事ともいえる。
ここまでで、動く(であろう)システムが出来上がる。
テスト
実際に動かしてみないと本当に望んだ動きをするシステムになっているか?を証明できないので、ここでテストを行う。
様々なパターンのデータを使ってテストすることで、文章で定義しきれなかった細かいズレを修正していく作業もここで行うよ。
運用
テストが終わったら、実際に使っていくフェーズに進む。
実際にシステムを使っていくフェーズが運用フェーズだ。
細かいことを言うと、テストの後に、切換や移行という運用する前の事前準備の作業もあるけど、ここでは割愛するね。
で、ITコンサルの仕事って何?
とここまでザックリITの仕事を説明したんだけど、ITコンサルの仕事が何か?って話は、ITコンサル以外の仕事が何か?を説明した方がわかりやすいと思う。
これまで説明した5つのフェーズのうち、開発・テストがプログラマーの仕事。
設計~運用までがSEの仕事。
それ以外がITコンサルの仕事と言えるけど、プログラマーやSEの仕事もコンサルがやることもあるから、5つのフェーズの全部ともいえる。
要はそのくらい「ITコンサル」というのは便利で、あいまいな言葉なんだ。
だから、ITコンサルタントという厳密な職業があるというわけじゃなくて、どのフェーズの仕事をしてるか?で呼び方が決まるって感じかな。
例えば、IT投資(企画)の仕事だったら、その内容としては、顧客、市場、業界に関する情報を収集し、関連する法規制を把握し、顧客の経営計画、ビジョン、ミッション、課題等を整理する。経営戦略に関して、顧客と意見交換したり、経営トップの考え方を把握して、様々な情報を収集、整理した情報から、経営の視点で課題を抽出し、IT投資によって課題をどのように解決するか戦略を考えるわけだけど、この仕事をしている人(仕事をやってるときに)をIT戦略コンサルタントと読んだりするんだよね。
他に、顧客のビジネスやITでの課題を分析して、情報システム構築によるソリューション(解決策)を検討する作業。
具体的には、情報機器、ソフトウェア、データベース、ネットワーク、またセキュリティなどを総合的に考え、開発するシステム全体の構造や開発方針に関して提案したり、開発するシステムが満たすべき基準を明らかにしたり、技術的なリスクについても事前に影響等を評価したする仕事をやってる人は、IT開発コンサルタントと言ったりするし、別の言い方をするとSIerともいえるね。
いつれにせよ、ITコンサルタントというからには、プログラマーやSEの仕事ができてしかるべきで、なぜなら、やることは一緒で扱う情報の抽象度が高いのがITコンサルタントだから。
そもそもコンサルタントって何?
このようになんの仕事をやっているか?で○○コンサルタントと呼ぶか?が決まる・・・というのが一般的な説明で、ググると大体そういう説明しかでてこないんだけど、そもそもコンサルタントが何なのか?は知ってるかな?
プログラマーでもSEでもコンサルタントでもやることは一緒といったことがヒントなんだけどね。
ズバリ答えは、コンサルタント=情報の整理整頓屋なんだよね。
コンサルタント>SE>プログラマーの順に扱う情報の抽象度が低く、具体になるってだけ。
要は、情報を様々な軸・切り口を使って整理整頓・分析して、顧客に理解できるように提示する。
これがコンサルタントなんだよね。
業界には「それ、アドバイザーだよね?とか、カウンセラーだよね?」というコンサルタントが多いから勘違いするかもしれないけど、コンサルタントの本質は情報の整理整頓であって、整頓した結果、どういう判断するか?まで口出ししない。
結婚コンサルタントでいうなら、
あなたのパートナーに求める条件はこういうものですね?と言語化するのがコンサルタント。
あなたの性格からはこういうパートナーがおすすめですよ?というのがアドバイザー
王子様がきっと現れますよと励ますのがカウンセラー
ITコンサルタントであれば、あなたのITシステムに求める条件はこうですねと言語化する人。
(あなたの悩みはよくわからないけど、たぶん)このようなITシステムがおすすめですよ。がITアドバイザー
(それは明らかに無理でしょ、でも)おっしゃるとおりにできるかトライしましょう、がITカウンセラー
乱暴な言い方をするとこうなる。
IT業界には自称ITコンサルタントが多いから、周りの人間が上記のどれに当てはまるか?を日ごろから意識しようね。
そして上記3つの成分ってのは、グラデーションなので(その時々で使い分けされるので)見極めは簡単じゃないけど、自分がITコンサルタントになるためには、コンサルタント成分がゼロの人は見習わない方がいいよ。
もちろん、コンサルタントになりたいか?は人それぞれので、カウンセラーが良い、自分にあってるって人はカウンセラー的な人を見習うと良いと思うよ。
※コンサルタントは整理整頓するだけで(AならBだし、CならDだよって仕組みを説明するだけなので)、この記事でも別に自己主張はしないからね(笑)