1‗コンサル1年目必須知識 1年目A コミュニケーション

コンサル1年目 必須知識 A12 ロジックで語る

日常会話では感情・感覚での会話、要は共感できるかできないかの会話がほとんどだね。

特に日本企業で会議が多いのも、みんなで共感して自分の感じ方が間違っていないと安心したいからなんだ。

日本語の特徴的にそうなってしまうのもわかる。

 

だけど、感情で話しても会社の生産性はあがらないよ。

私はこう思う→うんそうだよね(あなたはまちがってないよ)。

という会話をいくらやっても生産性は1ミリもあがらないんだ。

 

だから、仕事・会社では、データ・ロジックで話すことが重要だよ。

ロジックで話すとは、感情に対して思考で話す事だともいえるね。

今日は、思考で話すとは何かを説明するよ。

 

事例:海外で異文化の人々と仕事したときの話

新人の頃、海外で仕事をする機会があったんだ。

プロジェクトメンバーの国籍は10か国におよび、多国籍軍ともいえる体制だったね。

文化はもちろんバックグランドが異なるメンバー間で、日本のように共感できる会話などほとんどない。

 

じゃぁ、どんな会話ができるかというと、データでの会話ってことだね。

例えば、経理業務であれば仕訳で語る。

システム開発であれば、プログラム(ソースコード・ロジック)で語る。

データ=数字とは限らないよ。

 

参加当時、僕は英会話がほぼできなかったんだ。

上司はベルギー人で、一緒に会議に参加しても、英会話ができないのでなんの役にも立たない。

でも、何か気が付いたことがあれば、グーグル翻訳を使って、メールで上司に伝えていた。

メールということもあり、無駄な共感話をする無駄はなく、すべて思考・ロジックでの会話になる。

  

上司を含めメンバーの文化やバックグラウンドは様々ですが、プロジェクトを前に進めるために集まっているのでロジックの話だけで十分役にたてるんだ。

具体的には、僕は新人とはいえ3年目だったから、それまで手を動かして集めたSAP(企業で使う基幹のシステム)の知識はある程度ある。

 

例えば、SAPシステムの仕訳の仕組みやマスタ構造を上司に説明したり。

予算の確保に向けて、システム構築(プロジェクト)のタスクを分解して見積をしたり。

ロジックと数字で端的にコミュニケーションするだけで、バリューを出すことができたんだ。

英語がうまいかどうかより、ロジックと数字で語ることが重要だと改めて思ったね。

 

ちなみにベルギー人の上司はS評価でしたが、日本人の上司はC評価だったけどね。

その日本人上司はITをまったく知らないし、僕も若かったのでその日本人上司の機嫌を取ることはしなかったからね。

海外=思考で評価するか、日本=感情で評価するかという特徴が現れてるんじゃないかな。

つまり、日本は感情で評価するから、生産性が上がらない。

あながち間違ってないと思うんだけど、どうおもうかな?

 

会社の本質はお金稼ぎ・・・ということは?

ロジックで語るというのは、ビジネス・会社では普遍的な法則でもあるよ。

いろんな会社があるけども、そもそもの会社の存在理由はお金稼ぎだ。

社会貢献や株主満足度や社員満足度etcのような感情的な事が大事といっても、結局は原資・お金がなければできないからね。

ただで、感情を満たしてくれるのは神様くらいだから。

だから会社の目的は「お金稼ぎ」なんだよね。

 

たしかに感情的な社員の満足も大事かもしれませんが、お金が稼げなければブラックな労働形態となって、社員満足度も上がらない。

お金がなくてブラックな方が、生きてる実感がする!という人でも、最低限のお金稼ぎの力は必要だよ。

 

そしてお金を稼ぐために必要なものは、ロジックであり数字だ。

つまり、ビジネスの共通言語は、英語や日本語ではなく、ロジックと数字なんですよね。

だから感情的なコミュニケーションが下手でも、ビジネスでは大きな問題はないよ。

なぜなら、ロジックと数字のビジネスコミュニケーションは全員ゼロからのスタートなんだし、できてない人も多いから。

 

グローバル企業はロジック優先

ロジックで議論するグローバルな多国籍企業では、それぞれ考え方の土台や習慣が違うのは当たり前だ。

これが多様性(ダイバーシティ)ってことね。

 

どこかひとつの国の文化や流儀を全員に強いる、押し付けるということはしない。

その代わり、どんな文化の人でも、絶対に共通して認め合うことができるような単純なものを基礎とする。

それがお金であり、お金を稼ぐために必要な「ロジック」。

 

日本でお金!お金!いうと、変な目で見られるかもしれませんが、そもそも会社の存在意義はお金稼ぎ。

お金稼ぎにつながらない共感トークがうまくても意味がないんですよね、本来は。

上司の個人的な文化を受け入れて機嫌をとる、感情を満たすために仕事をするわけじゃない。

 

そうでなくて、ストレートにロジック(と数字)で会話すればいいんだよね。

で、ロジックがなければ手を動かして作ればいい。

口を流暢に動かして、感情に訴えても意味がないんだよね。

 

「複数の文化があつまる場所で仕事をするには相手の文化を理解することが必要だ」といわれることもあるけども。

たしかに、1対1で相手を理解するときはそうかもしれない。

しかし、その理解すべき文化が4つも5つもあるような場所では、どうやっても合わせようがないからね。

ここでのポイントは、文化のような差が生じやすい高次元・感情のコミュニケーションをしないってことね。

 

ハイコンテキストとローコンテキスト

高次元のコミュニケーションはハイコンテキスト。

逆に低次元のコミュニケーションはローコンテキストというよ。

ハイコンテキストは、人によって解釈の幅が広いもの。

ローコンテキストとは、誰でもわかる、解釈の幅、ズレが少ないもの。

 

日本語はハイコンテキスト言語といわれます。

主語はほぼ省略されますし、空気を読む、忖度など、文字間や行間に複数の意味が込められている。

つまり、解釈の幅が広い言語ということだね。

 

日本人は言語自体がハイコンテキストなので、個人間で客観的な価値観が作りにくい。

要はわがまま(になってしまう。言語のせいで)だと言える。

そのうえ、インターネットの普及でより価値観がバラバラになってしまっていて、現代は相手を理解するのがより難しい。

だからこそ、ロジックと数字というローコンテキストで会話が必要なんだ。

 

それが顕著なのがグローバルなプロジェクトで、メンバーそれぞれ考え方の土台や習慣が違うのが大前提。

多様性(ダイバーシティ)と呼ぶけど、どこかひとつの国の文化を全員に強制はしないよ。

その代わり、どんな文化の人でも、絶対に共通して認め合うことができるような単純なものを基礎とします。

それがロジックと数字。

 

日本の社会では、(日本語がハイコンテキストなので)過去の価値観、会社の価値観に全員が合わせるようにしたり。

あるいは、新しい価値観のほうに合わせたり、とにかくひとつのものに統一しようと考えるんだ。

他の国(言語)なら、言語レベルで共通的な価値観が作れるけど、日本語は違うからね。

っして、価値観は統一できると思われている。

実際これまで日本では、儒教の関係で、年長の価値観に合わせていたんだけども。

 

しかし、年長の価値観にあわせても、お金は稼げない状態になってしまったから困ったことに。

さらにインターネットの普及のおかげで、価値観自体がバラバラになっているから、誰かの価値観に合わせることはもはや無理!

・・・という前提に立ったほうが、お互いに楽じゃないかと思うんだよね。

 

具体的には全員が納得のいくローコンテクストなルールや基準だけを掲げて、ロジックと数字でコミュニケーションをするしかないね。

さらには、まわりくどくなく、シンプルにストレートに話す方法も有効だね。

話の裏を深読みせずに、ストレートに「話通じてます?」と確認するとかね。

「察しろ」とかハッキリ言って不可能と思った方がいいよ?

 

フィードバックはロジックで

だから、日本国内でも、グローバル企業のようなコミュニケーションが必要とされる時代が確実に来てる。

そして、これができていない会社は伸びないし、できる人は集まってこない。

上司の選び方も、ロジックと数字で語れるか、抽象的(ハイコンテキスト)でなく、具体的(ローコンテキスト)でフィードバックしてくれるか、どうかで選んだ方がいい。

 

日本企業の生産性を上げるには?という問いに答えるなら、「ロジックと数字だけで語れ」が正解。これだけ。

数字がなかったら仮でもいいから数字をつくれ、話はそこからだってこと。

これをしないで、小手先のグッドルッキングな対策ばかりしても意味がないんだよね。

まぁ、グッドルッキングな対策の方が社員(特に管理職)としては楽だし、「ロジックと数字で語る」のはめんどくさいから、やりたくないのはわかるけど。

 

例えば、自分が資料をレビューしてもらうとして「とにかく結論から書いてほしいんだよ」という、上司がいたとする。

この時、具体的に結論をどう書くかのロジックを説明してくれない、ロジックを説明できない上司は避けた方がいい。

自分が説明できないから「自分で考えろ!」とかなんとか言われる。

 

確かに、自分で考える事が重要という考えもありますが、そもそも考えるためにはある程度の知識・情報が必要だ。

考える元ネタとなる、材料・情報がスカスカ、ほぼゼロなのに、考えても何もでてくるわけがない。

カレーを作る材料=インプットは全部そろっている、料理の結果も見せてもらった、あとは作り方を考える。

他の料理の知識があれば、これで考えられるけど、例えば料理の知識がゼロであれば、考えられないと思う。

 

考える=情報を調理する・・・の前提となる価値観、知識量というものは多様性の高まりによって、大きく違っている。

個人が考える上での知識・情報量もひとそれぞれだ。

そして、そのばらつきはネットのせいで広がっている。

 

だからこそ、ローコンテキストな説明や、具体的なフィードバックが必要。

将来、上司になった時に困らないように、今からローコンテキスト、特にロジックと数字で語る練習をしていこう。

間違っても、気合と根性、マインド論で語らないようにしてね。

 

そして、それらを語る人からは距離を取った方が良いだろうね。

ミラーリングで自分もそういう影響を受けるからね。

まぁ、そういう人になりたいとも思わないだろうけども、念のためね。

 

ロジックがなければ、なんでもいいから作る

とはいえ、もしロジックと数字がソコになければ、もう仕方がない。

感情で語るしかないから、もう自分は違うと思っても(ほぼ違うだろうけど)、相手の意見を正しいと仮定して仕事を進めよう。

ちなみに「ロジックと数字」というけど、どのロジックを使うか、どの数字を使うかは、最終的には「感情」で決まるからね。

 

なので、作るロジックは正直言ってなんでもいい。

正解は感情で決まるし、そこに絶対の正解はない。

ビジネスが数学のように誰が見ても正解だってものがないのは感情が理由だからね。

人がモノを買うのはお金を払うのは、いろいろロジックや数字を言ったところで、最終的には感情だからね。

この本質からは逃げられない。

 

数字とロジックを使うのは単にコミュニケーションコストが下がるというだけ。

数字とロジックで絶対的な正解が得られるわけじゃない点に注意してね。

 

ロジックと数字という比較的個人間のズレが少ないプロトコルを使って会話をすることが重要。

そして、すべての情報は仮説として扱うこと、ただ検証するだけってことね。

この点を意識して仕事に取り組んでいこう。

 

では今日はここまで。お疲れ様。

-1‗コンサル1年目必須知識, 1年目A コミュニケーション