対上司に必須テク、TTPとは?
ビジネスとは、「相手」の期待値を、常に超え続けていくことです。
コンサル1年目であれば、その「相手」とはクライアントでなく、上司になるでしょう。
上司の期待値を超えるために、一番重要な事は接点の「数」です。
つまり、上司からのフィードバックループを素早く回すことです。
ココの知識を取り入れても今すぐに期待値を超えることは難しいでしょう。
しかし、1年後に今の上司の期待値を超えることは可能です。
あるいは、次に出会う上司の期待値を超えることも可能。
そのために、今からフィードバックループの「回し方」のスキルを磨いていく。
まず、ここからなんですよね。
新人が1人でいくら考えても時間の無駄なので、徹底的にTTPをする必要があるんです。
TTPとは、てってい、てきに、パクるです。
守破離の守でもあり、経験者の型をパクって写経することが上達の近道です。
実践!フィードバックループの回し方
それでは具体的なフィードバックループ回し方、コツを解説します。
最初に上司のフィードバックを受ける時、確認すべきポイントは3つあります。
これ3つを全部上司が最初に説明してくれとも思いますが、まぁそんな事まで考えている上司はいません。。。
それどころか、空気を読んで俺が望んでいる資料を作れよ・・・派の方が多い説もあったり。
なので、上司が何を望んでいるか?を相手の機嫌を損ねないように引き出していく必要があるわけ。
上司の望みを引き出すために質問する。
この時、どんな質問をすればいいか?を説明します。
多くの場合は何かの資料(ドキュメント)を作ることになるので、資料作成を例に説明します。
質問1.資料の目的=誰が?なんの目的で?使うのかを確認する
まず、資料というのは想定される「読み手」がいるわけで、この読み手というゴールを決めずに、内容や品質等は決まりません。
よって、誰が読むのか?となぜそれを読むのか?の確認が最初の一歩です。
特に資料の読み手が誰か?重要で、その理由は読み手の知識レベルに資料のレベルを合わせる必要があるから。
例えば、プロジェクトの内部の人向けと、外部の人向けでは、全然違う内容になります。
外部の人向けなら、プロジェクトの目的や意義から説明する必要がありますが、内部の人向けに今更プロジェクトの目的を説明してもあまり意味はありません。
このように、「誰」向けか?の確認がまず必要です。
そして、「目的」についても同じ事です。
単なる情報共有なのか、何かお願い(主張)があって、お願いを聞いてほしいのか、目的が違えば内容も変わってきます。
例えば、新しいプロジェクトのスケジュールはこうなります。という単なる情報共有。
例えば、スケジュールがこうなので、この期間であなたの部署から、3人をこの期間アサインしてほしいというお願い。
後者であれば、しっかり作りこまないと3人アサインしてもらうことは難しいでしょう。
このように、「誰に?」「目的は?」を上司と認識合わせすることが最初の第一歩です。
質問2.資料のイメージを確認する
コンサル界隈では「ゴールから逆算しろ」とよくいわれます。
ドキュメント作成の場合は、まず、①誰が読むのか②何のために読むのかを明確にするんでした。
次は資料の構成・章立てを逆算していきます。
一番ハイレベルな構成とは、帰納法の型である、PEERですね。
PEERを覚えてますか?
- P(Point):結論・主張を1文でまとめる。
- E(Example):結論の根拠となる、具体例を1~2個挙げる。
- E(Explanation):それぞれの例について詳細に説明する。
- R(Result):結論を再度繰り返す。
でしたね。
これが、何かの機能仕様書であれば、
P: 何をする機能か?
E: 機能のステップ。IPOを説明。
IPOとは、Input、Process、Outputですね。
E: IPOの具体例を説明。
Inputであれば、具体的にどういう項目か?を説明
R: 何をする機能か?(機能の仕様確認なら、ここは省略冗長なので省略してもいいでしょう)
このような資料構成になります。
PEERは理解したと思いますが、その1つ下のレベルの章立て=型は、最初は何も知らないと思うので、その場合は全くイメージがありませんと、正直に上司に言って、「型」を教えてもらいましょう。
もちろん、最低限、「仕様書」「フォーマット」などで、Web検索する事はしますが、ここに何時間もかけても仕方ありません。
わからないものを何時間考えてもわからないので、それだったら、少し時間をもらって、上司に答えを教えてもらいましょう。
正直に質問すると「ちょっとは自分で考えろ!」という上司もいると思いますが、
ちょっと考えて出てくるんだったら、相談に来てないわけで。
なので、文句をいう上司はそういうものだ、相手の機嫌の良し悪しは相手の問題だ、と割り切って情報を引き出すことに集中してください。
要は手が止まったら相談するようにしてくださいということです。
で、構成・章立てが決まったら、各章のボリューム感を確認してください。
例えばパワポであれば何枚使うのか(ここも具体的な数字で語ります)
くれぐれもいきなり内容を書き始めてはいけません。まずは構成を確認します。
もちろん上司にある程度教えてもらっても、自分で1人ブレストしないと、章立て案も出ないかもしれません。
なので、整理のためにノートに内容・アイデア出しをするのは手が止まってないのでOKです。
マインドマップを使ってもいいでしょう。
整理はあくまで文字ベースで時間をかけずに行います。
時間のかかる作業、例えばパワポで図や表を作るのは、文書化の後で行いましょう。
3.QCD
プロジェクトマネジメントの世界ではおなじみですが、最後に確認すべきはQ=クオリティ、C=コスト、D=納期です。
資料作成タスク1つに対しても、QCDを確認します。
具体的には、どの程度のQ=クオリティ=品質が必要か、60点でよいのか、100点を狙うのか。
C=コスト=時間はどの程度かけていいのか、D=デリバリー=納期はいつになるか。
これによって、資料の密度、どこまで詳細に書くのか?が決まります。
あれ?納期から使うコストが決まるのでは?と思うかもしれません。
納期までの時間、100%のリソースを使える場合はたしかにそうです。
が、複数のタスクを持つ場合は、コスト=納期にはなりません。
たとえばAというタスクの納期は1週間後でも、他にも進めるべきタスクがいろいろあって、Aに使えるコストは1日分という場合ですね。
章立てが決まって、あとは中身を書いていく状態になったら、使えるリソース・QCDを確認し、QCDの範囲内で中身を書くようにします。
まとめ
まず、資料の外側を明確にするためのフィードバックループを回し、そのあとに、資料の中身のフィードバックループを回す順番で進めてください。
とはいえ、ある程度中身も書かないと決まらないケースもあります。
ですが、漠然と資料の中身を書いて確認するではなく、あくまで上記の3点をまず確認し、どこが明確になっていないかを確認し、何を明確にするために中身を書くことをしてください。
要は何が固まってないのか、何を固めるために、中身を書いてみるのか?、中身を書く理由・目的は明確にしてくださいね。
では、今回は以上になります。